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こんにちは!食品工場(@bla9factory)です。
今回はいい歳して性格がひねくれた自己中ジジイのお話してす。
変化を拒否して昔ながらのやり方を推し通し、自分の意見が通らなければすぐに不機嫌になり、部下に数時間陰口を聞かせる。
だから、この営業部長の部下はみんな辞めていく。
そんなクソ人間の会社でのはみ出し行為を見ていきましょう!
抽選方法は自分

毎年会社で年の最後に豪華なおせち料理が抽選で貰えるというイベントがあります。
当時53歳の営業部長が取り仕切っていて、
その年の当選者用のおせち料理を決めたり
抽選に関しても全て営業部長が担当していました。
おせち料理は毎年1万5千円もするような高級品で、家庭のあるパートを中心にそこそこ盛り上がるイベントになっていました。
しかし、このおせちの抽選の話になると必ずある噂が囁かれるのでした。
抽選はしていないのではないか?
営業部長が当選者を決めているのではないか?
というような噂です。
そんな声が上がってくるのも当然で、抽選方法があまりにもおかしい仕組みになっていました。
その抽選方とは、まず参加者に小さい紙が配られます。
そこに自分の名前を書き、抽選ボックスと名付けられた四角い箱に入れる。
ここから急に訳のわからない流れが始まります。
参加者全員分の名前入り紙切れが入った箱を営業部長が自宅に持って帰ってしまうのです。
そして数日後の当選者発表日に社内掲示板に当選者の名前が張り出されます。
なぜ名前が入ったボックスを自宅に持って帰る必要があるのか?
なぜ抽選を自宅で行うのか?
毎年誰かしらに聞かれる、これらの質問の回答は
「家のパソコンでしっかり抽選できるソフトがあるんだ。」
紙切れを提出させるくらいに応募するのは超アナログで抽選はハイスペック抽選ソフト使用?
どう考えても無理あるだろ。
でも離職率半端ない我が工場では20年以上在籍する変人で、社長なんかも基本的には何も言えない関係が出来上がっている。
経営者連中からすれば、もはやどうでもいい事。
会社の利益に関係ない、お節の抽選なんて。
パート達の意見としては、抽選箱に手を突っ込んで当せん者のなまえを引けばいいのに、とか、
箱にアタリハズレの紙入れて従業員が順番に引いて行けばいい。
ほぼ全員がその考えに賛成している。
だけど毎年家に持って帰る営業部長、、、あやしい。
そんな中、工場のムードメーカー田辺が
「ちょっとおせちの事でお話があるのですが…」
おせちの事でお話が…
こんなフレーズ、人生で何回聞くことができるのだろうか。
人目を気にしているので夕方、仕事が終わってから話を聞くことにした。
「すいません、仕事終わりに…」
「おせちの事で営業部長から連絡がありまして」
「田辺に連絡?おせちの?」
「くじ引きの前に当たったらいくらで売るかと聞いてきたんです。」
「僕、おせちホントいらないんで1,000円でも売っちゃいますよって言ったんですよ。」
「買うって?」
「はい。じゃあ今年お前当たると思うからほらって、2,000円渡されました…」
出来レースが確定した。
12月のおせち抽選日、見事に田辺が当選した。
毎年当選者から買い取ってはいないみたいだけど、やたらと営業部長と仲良かったり、新入社員が当たるのが多かったわけだ。
部長の家庭はそんなおせちで一年が始まるんだ。
絶対に嫌だな。
自主的に謹慎




俺が若い頃いつも責任から逃げてる工場長がいた。
いつも誰かと話をしていて全く仕事をしていない。
新人の立場からみれば暇に見えてじつは忙しいのが上司だと思っていた。
今工場長になって他部署の管理職の仕事内容わかるようになってわかった。
やっぱりあの頃の工場長は単純にサボっていただけだ。
そんな工場長の元、調合担当の丸谷が着色料を入れ間違えるというミスをおかした。
確認ミスとダブルチェックのルールをミスしたため起きた入れ間違え、何をどうしたものか、赤になるはずの商品が青にそまった。
丸谷は顔面蒼白だった。調合の最終工程で起きたミス。
この商品はもうどうすることも出来ず、全て廃棄することとなった。
工場長が珍しく工場に入ってきた。
調合ミスのいきさつを聞き、原材料廃棄の決定を出してから工場の隅に丸谷を読んだ。
「お前どんなミスしたかわかるか!?」
「俺が言ったことをどうしてやらなかったんだ!」
俺が言ったこと?工場長が陰口ばっかり言ってるのは知ってるよ
すでに反省している人に怒ることの意味の無さ、逆効果。部下の心に響かない言葉。
今から経営者に話がいくのがわかっているから先手を打って自分は傍観者側へ回る気満々。
そう、部下のミスの責任を自分で取る気はサラサラない。
その日の午後工場の片付けが全て終わった 15:00全社員の緊急招集が開かれました。
材料費と人件費で数百万円の損害を出した訳なので押し潰されそうなくらい空気が重いです。
まずは社長からのお話が始まり、今後同じ事が二度と起こらないよう、対策を考え、あらためて気を引き締めていこう。
との定型文が終わり、次に工場長の話が始まる。
……
始まらない…
社長が「どうしました?」と声をかける。
「あ、いえ、大丈夫です。ちょっと今回の件が大きいもので……」
こいつ演じてる……
「えー、すみません。今回のミスについて……」
「丸谷君がミスをしてしまい」
ミスした本人の名を晒すとこから始まり、
「私の指導が至らなかった事も大変申し訳ございません!」
異常にでかい声。なんか自分の世界入り始めて興奮し始めた。
「みなさん!丸谷を責めないでくれ!丸谷の未来を潰さないでくれ!」
「誰だって一度や二度、大きな失敗くらいします!!だからたった一回の失敗で丸谷を責めないでくれ!!」
1番責任を感じている丸谷君の名前を連呼。
本人どんな気持ちだよ?
丸谷君は鬼の形相だった。
「丸谷だって相当反省してるし、皆さんのこれからの対応次第で…」
「ちょっと待ってくれよ!」
工場長の話に丸谷君が割って入った。
「なんで俺の名前ばっかり出すんですか!?」
「川井先輩も一緒に作業してたし、係長も確認してた!気がついたのが俺で、間違えて入れたのは俺ですけど、全部俺が悪いんすか!?」
工場長は完全に丸谷だけの作業だと思いこんでいて、ミスがあったときの状況をしっかり聞き取りしていなかった。
丸谷は工場長にかなりキレている。
鬼の形相で睨みつけている。
「だって、工場長も…」
丸谷の勢いが止まらず話を続けようとしたところで、
工場長が丸谷に肩を組んで
「分かった!分かった!大丈夫だから!な!」
「落ち着け、大丈夫だから!」
静かにさせようと必死。
丸谷が肩に置かれた腕を勢いよく振り払いながら、
「なんで俺だけ悪者に!…」
「分かった!分かった!分かった!!」
丸谷の大声をさらに大声でかぶせてかき消そうとする工場長。
明らかに丸谷は工場長にイラついて反論を開始している。
丸谷は多分もう辞めてもいいくらいで工場長にブチかまそうとしているのに、
自分が部下をかばうというシナリオを絶対に崩したくない工場長。
どっちも必死。
二人以外は唖然としている。
突然丸谷から離れ社長の前へ移動する工場長。
「部下の責任を取り、自主的に自宅謹慎します!!」
今までの喧騒が嘘のような静寂……
自主的?
自宅謹慎?自分で?
「それでは1週間謹慎してきます!」
顔真っ赤。まだ集会の途中、皆が整列している中をかいくぐり帰ってしまった。
しょうがないから会社は有給休暇扱いにした。
1週間後、
工場長は何事も無かったかのように出勤してきたが、なぜか怒っていた。
「なんで俺は丸谷をかばったのにあいつはこの1週間俺の家まで謝りに来なかったんだ!」
丸谷のいないところで怒ってる。
自分の恥を隠すための逆ギレ。
恥ずかしい。こんな人の下で働いているんだ。
自己判断で謹慎するアホを上に立たせる会社にも腹が立った。
数年後、この工場長は給料のことで社長と大喧嘩して辞めた。