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私、食品工場に勤務して早、20年が経過いたしました。
こんなにも長く同じところで働いていると、嫌でも色んな人間と関わることになります。
人間と関わりたくなくて工場に入ったのにさ
悲しいもんだよ人間はいつだって...。
そんな悲しい日々の中でも、
数年に一度コントをしているんじゃないかと思えるほどに、
行動や発言が面白い、面白い?いや、
行動や発言がバグった人と巡り合うことがある。
そんなバグった、過去に実在したレジェンドを思い出そうと思います。
工場の辞め方ヤバくて、もはやレジェンド のお話です。
辞めたいけど、辞めたいと言えないからうんこ漏らした30歳 根本君
4年前、春ごろに入社してきた武蔵野線で通勤の根本君
彼は自転車が好きで笑顔がとてもステキで、喋り方が少し幼い感じの30歳、男。
30歳の男、なんだけど、もじもじしてて少しブリッこな女の子みたいな印象でした。
見た目は30の男、そのまんまです。
ジェンダー平等、あまりここでの男だの女みたいとか、深堀りやめときます。
マスメディア対策です。( ´∀` )
面接の時なんかはとても明るくてハキハキしていて、
今後この子が、工場を少しでも明るくしていってくれるのかな?
なんて、期待を持ちつつ、採用にしたのを憶えています。
うんこのはじまり
そして、あの日、うんこの始まりは根本君の出社初日でした。
*先に話しちゃうと、根本君は初日で辞めました。( ノД`)シクシク…
初出社からの会社の説明やら施設の説明やらを終えて
係長に連れられ元気に、あの可愛らしい笑顔を振りまきながら工場へ入っていきました。
(食品工場なので、帽子、マスクをビッチリつけるので目しか見えておりませんが、、(笑))
それから2時間くらい経過したころでした。
工場の現場から私のデスクに内線電話がかかってきました。
係長「根本君がトイレに行ったきり帰ってきません。もう20分たちました。」
「大便の個室にいるので、声をかけているのですが呻き声だけ聞こえてきて、会話はできません。」
係長はもうどうしていいかわからないし、工場での仕事もあるので
新入社員にそこまでかまっていられません。
なのでイライラと焦りが伝わります。係長にとっては出社初日数時間で
下痢して便所にこもっている新人なんかより、
現場での仕事のほうが遥かに大切です。
工場長(私) 「じゃあ、俺もすぐにそこにいきます。」
駆け付けてここまでのいきさつを係長から聞き、係長は工場に戻しました。
籠城
「大丈夫?」と
ノックをすると、
「うゔぅぅぅぅぅ、ゔうう」
呻き声がかすかに、聞こえる
「大丈夫?」
「ぅ、ゔぅうぅぅぅぅぅぅ」
「根本君、大丈夫?」
「ゔぅぅぅううううぅ、、う」
「...」何か答えろ ね も と、、、うんこたれ
このやり取りを係長は何分もしててくれたわけだ、、。
私の心の声が呟いています
(もう、こういう奴勘弁してよ、)
毎年、こういう奴の相手何時間してるんだ?
でまた、話しかけます私。立場上。
このままほっといて、自分でトイレから出るタイミング失わせても、いいんだけど、
立場上ね。心配しなきゃいけない立場。
外ズラは優しく、
「今日はもう仕事は無理そうだから、早退しようか?」
「はい。すみません。」
!!……
おっ、おぉ、急にはっきり返してきたからビックリしたぁ
「お腹大丈夫?」
「ゔ、ゔうゔぅぅぅぅぅ、、。」
私(…..。)
「トイレから出て来れるぅ?」
「ゔうゔぅぅぅぅぅ、」
「早退したほうが良さそうだね」
「はい。すいません」
ハッキリ話せるやん!!え?どゆ事?
たまにハッキリ返してくるなぁ、法則ある?
え?今なぞトレ中?俺。
「大丈夫かぁ~い?」
「はうあ!、うゔぅぅうううぅううう」
「早退だな~こりゃ~」
「はい、すみません」
やっぱりハッキリ!これには返事が返ってきた
「大丈夫かー、?」
「はう!ふぅ、ゔ、ゔうぅ!~」
大丈夫?とか心配して聞く感じだと、なぜか返事を返さなくなるのか、、、
「じゃあもう帰らなきゃいけないから、着替えようか、、」
ガチャ、
ドア開くのはや!
うん。早退したいのね。帰りたいのね。働いてみて何か違かったのね。
俺は君みたいの何人も見てきてるから、だいたいわかるよ。
わかるけど、君みたいなのは君が初めてじゃないから、どうせ辞めるのわかるし、相手している時間がもったいないよ。
小細工なしにバックレてくれれば早いんだけど、
君にとっては初めてか、数回目の経験だからすぐにでも辞めたいんだけど、今すぐ帰るわけにはいかないし、
冷たくされるのも嫌だから、何かと色々考えて、こうなっちゃうんだよね。
みんなそうなんだよね。君みたいな一定数の人のすぐに辞めたくなっちゃった時の
思考回路のフローって。
ようやくドアが開きました。
ラスボス根本の登場です。
とにかく帰りたいんだな、根本君。
そして帰ったら2度と合わないパターンだろうな。悟りました私。
「大丈夫?」
「ゔぅぅゔうぅゔうぅぅぅ」
「どういう感じなの?」
「はっ!はっ!んごっ!ゔうぅうゔ!」
もう、帰ることに直結する話しじゃないと
会話をしてくれない設定のようです、、。
もうどうでもいい。早く帰ってくれ。
こういうタイプの思考回路は相変わらず幼稚ゆえに複雑だ。
ここから帰るまではとてもスムーズだった。
なんせ根本君を攻略したから。
「じゃあ、帰るから着替えよう。ロッカーいこうか、」
「あ、はい」
おぉ、ハッキリ。帰る話だからね。
「少しでも早く帰ったほうがいいね!」
「はい。」
うん、いい返事だ。ようやく元の根本君に戻った。
「今日は治りそうもありませんから」
なんでわかんねん!!医者か!?帰りたいだけやろ。
じゃあ、この辺で禁断の質問あえて入れてみる、
「お腹は大丈夫?」
、、!!フイをつかれた根本君
ハッとして両手でお腹を抑え直し、必殺の、
「ゔぅゔぅぅぅゔうぅゔ」
よし!入ったー!!根本完全攻略!!確変~!!
なんのこっちゃ、
で根本君には病院に行くことを約束してもらい仕事は明日からしっかりと初めよう、という事にした。
うちの食品工場はノロウイルス対策として腹痛者にはなるべく病院へ行ってもらい、出社するにはノロウイルスにかかっていないことなどの診断書が必要です。
根本君はロッカーでも苦しそうにしていました。
帰る根本
食品工場特有の白い作業着を脱ぎ、私服に着替えます。
お尻付近に下痢が付いてないかチラ見しましたが、
残念ながら汚れはありませんでした。
一応この作業着もノロウイルスを不活化できる消毒をかけまくって、周りに付着しないように気を付けて扱います。
上着の名前を書くところには「田口」の文字が線を引いて消されて、その横に「根本」と書かれていました。
工場ではすぐに辞める人が非常に多いので、入社した時は、やめた人のお古を着てもらいます。
因みに田口君は性犯罪で逮捕されました。
田口くんの話はまた、いずれ書きますね!
着替え終わり、
連れ添うように会社の玄関まで連れていき、
「じゃあ、明日体調大丈夫なら来てね〜」
と見送りました。
もう来ないことは分かっています。
来てほしくも無いです。初日でこんな奴面倒です。この腹痛がもしホントでも、
仕事の初日にこんな病状になる、ひきの悪いやつ、ろくな仕事しないんです。
ろくなやめ方しないんです。
そして、会社の玄関のドアが閉まりかけたとき、聞きました私、
「大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です。」
て、
おいおいおいおい!!!
設定ーー!!どこいったー!
そこは、う、ゔうぅぅぅぅぅぅ
だろ?!
もう帰るだけだけだから、もう設定関係ないよね……わかるよ根本君。
ありがとう根本君。
こんな短時間だけでトイレにいただけだけどさ。
会社は雇用のトラブルを避けるために君に今日の分の給料は払うよ
お疲れ様。
これは君の演技への報酬だよ。
根本君はイヤホンをしてバス停に向かって行きました。
根本ふたたび
、、、、、、一夜明け、、
まさかの、まだ終わりません。根本君の話し(笑)
一夜明け、朝。
8時頃。
私はいつも通り早めに出社して、休みの人がいた場合の電話番をしています。
プルルル
ワンコールででます。社会人の鉄則
ガチャ
「もしあ、ゔうぅぅ根本です、は、うゔぅ
ゔぅうぅぅぅ。」
予想通りの根本君。辞める というのでしょう。
設定が復活していました。
「もしもし(私)です。ダメそうだね。」
「はう、!あ、!は、ぁ、ゔうぅぅぅ。」
良くなるどころか、レベルアップ、いやいや、症状が悪化しているようです。
「喋れるー?」
「ゔ、う、は、ひゔぅぅぅぅぅ。」
電話って何のためにあるのでしょうか。
それでも、会話の出来ない相手と話をつづけなればなりません。
一応。
仕事来るのか、休むのか、辞めるのか、?
(100%辞めるんだろうけど。)
辞めます、と言うのかと思いきや
「あ、朝から、今から汚い話しをしてもいいですか?ゔうぅぅ」
なんだ、この展開!?
辞めるといえばいいだけなのに。
もう工場の人達には辞めたと伝えたよ。なのに、、根本君、、。
大便者 根本
私はワクワクしました。
流石根本君!
このごに及んでまだ何か続きがあるのか!?
「別に汚くても、何でも大丈夫だよ。話してみてくれる?」
「あ、はい。ありがとうござ、はう!あ、ゔうぅぅぅうぅゔう」
今日の設定は「お腹痛いけど少しは話せる」モードになっているようです。
「あ、あ、あのお恥ずかしい話、なんですけど、、、」
はいはい、辞めると言うんだろ?
分かってるよ根本君。
私はそんな人と何十人と関わってきたからさ、早く言っちゃいな、
「今、う、ゔう、大便を漏らしてしまいまして、、」
???!!!
は?なになに、朝一番の会社への電話で「大便を漏らした」話、、?
面白すぎるやん!
「それで途中の駅で降りてすぐ電話しています。」
「じゃあ、今ズボンはうんこまみれってこと?」
「は、はい、あ、そ、ゔうぅぅぅぅ」
「電車乗っている間に腹痛、ゔうぅ腹痛をおぉーん!へぶ、ゔうぅぅぅぅ」
「電車に乗ってるときに出ちゃったの?今の時間は満員電車だよね」
「は、はは、はい。電車の中で、、、」
電車で周りにいた人きっついなぁ〜。朝から下痢の匂い嗅いで出勤かぁ
ホントの話だったらきついな~
「こ、このままそ、そちらに向かおうと思うのですが、ゔう」
来る気なんてサラサラないくせに……
「だめだろう。完全に出勤停止だよ。下痢だよね?大便ついたまま来ても仕事させられないからさぁ」
「そうですよね。やっぱり、、、ふっ」
ふっ て、ちょっと笑ってるし、、自分で言っといて、。来いって言ってやろうか。
よく、下痢がズボンの内側にベットりついてて、ふともも辺りのズボンについた冷めた下痢がたまに皮膚に触れて、
あ、冷たっ。てなってる奴が
どんな顔して
「そうですよね、やっぱり」キリッ、
て、どこぞの口から紳士みたいな空気かもし出して言ってんねん!
で、ふっ て笑っとんねん!
設定しっかりせーや
もういい加減面倒になったので退職を促すタイミングた。
「ちょっと昨日から、お腹の調子も悪そうだから、一度入社自体を考え直すかい?」
「はい!」
即決かい!
「お互いのためにも今回はその方がいいと思いますので」
どの口が言っとんねん!
まあ、その通りなんだけど。
根本くんは うんちの力を借りて退職していきました。
ありがとう根本君。
君と過ごせた時間は僕にとっての宝物です。
食品工場(bla9factory)でした!それではまた!