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食品工場 きついよ
工場長
気楽に楽しく生きていく
愛妻、二児の父。番犬。
ギター好き。宅建士。2級FP。工場長。
仕事の記事、おふざけ多め。
優しい人たちと仲良くなりたい。

食品工場きついよ、ラクだと思って入社した新入社員が地獄をみる5つのこと

こんにちは食品工場(@bla9factory)です。

筆者紹介
食品工場

工場長
工場勤務20年
HACCP指導員 宅建士 2級FP

食品工場に働くものの入社数日で辞めていく人はとても多いです。

私の在籍する工場も離職率はかなり高く、毎年数多くの新入社員が去っていきます。

いままでに200人以上の退職者と関わってきた中で数日や数ヶ月で辞めていく人たちを目の当たりにしてきました。

TVの影響からか大企業の全自動の機械で商品が完成するイメージが強く、あまり動かず考えずに仕事が出来ると勘違いしている人がとても多く、面接の時に実際に工場見学をしてもらって手作業での仕事を見てもらっているのですが、見るだけでは簡単に思えるようで、働き始めてすぐに現実を体感して皆去っていきます。

今回は早期退職者の食品工場はラクだと思ったけど働いてみたらキツかったと思った5つをみていきたいと思います。

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目次

体力を異常に使う

すぐに辞めていく人たちは食品工場は機械制御で全て全自動の機械製造が完了していると思っている人が多いです。

実際に稼働している工場をみてもラクなイメージは抜けません。

人が作業をしていても簡単な機械の補助に見えてしまっています。

そんなイメージで作業を始めると入社初日から前日までの「やる気」が一瞬で消え失せていきます。

食品工場は体力をとても消費する職業です。

何百人、何千人、何万人もの食料を扱うので具材や材料の使用量も当然大量となります。

砂糖一袋30Kg 米25Kg あんこ25Kg……等

これらを一人で毎日5袋、10袋移動したり開封して容器に入れ替えたり、ずっと繰り返したりします。

「あんこの移動終わった〜」と安堵するのも束の間、

「商品の移動おねがいします。」と指示が入り一息着く暇なく体力仕事が始まります。しかも15kgの商品を500個移動とか。これが毎日のルーティンだったりします。

入社初日、まだ半分見学しているだけなのに先輩たちの作業の光景をみてやる気が失せ、翌日から来なくなる新人、結構います。

食品工場は体力を凄く使います。機械操作してるだけのオペレーターなんてポジションは中小企業にはほとんどありません。

そんなにラクな仕事であれば誰も退職しないので求人情報はなかなかでてこないでしょう。

とにかく下っ端ほど体力を必要とするのが食品工場です。

工場の仕事は機械相手だけどコミュニケーションはそこそこ必要

食品工場の入社希望で多いのが「人と接するのが苦手、人と関わらない仕事がしたい。」という理由。

しかしながら食品工場で人と関わらないことはありません。

会社外の人とは新入社員はほとんど関わることはありませんが、上司、先輩、教育かかりなど少数ではあるものの関わる必要があります。とくに教育係とは濃密に関わります。

食品を扱う以上商品に関わるミスや間違えは許されないので、教える側も確実に教えたことが出来ているか新人の作業を細かく観察して指示しなければなりません。

その分教育担当者との関係はとても濃密になりコミュニケーションが上手く取れていないと嫌われてしまい状況が悪い方へ傾いていきます。

食品工場に入社してくるひとのなかにはこの少数の関わりさえ出来ない人も残念ながら少なくありません。

人と関わる事ができない人がよく注意されること
  • ありがとうございますを言うタイミングがわからず言わないままでいる。
  • 何度教えてもらっても覚えられない作業があり、聞くとまた先輩に怒られるからわからないまま作業を続ける
  • 人と話すときに声が小さすぎて工場内では全く聞こえない
  • ミスをしたときに立ち尽くして「どうした?」と先輩が駆けつけるのを待つ

もう、コミュニケーションというより道徳としてどうなのか?という問題です。

教育係とのコミュニケーションは濃密になります。覚悟してください。

細かい作業が多く、覚えることも多い

作業着の着用ルール、手洗い、機械の組み立て、操作、機械の分解、洗浄、等々、覚えることがとても多いのが食品工場です。機械の組み立てや分解は物によっては覚えきるまでに1ヶ月かかるものもあります。

特に細かいところでいうと、機械にはパッキンやOリングといった硬質のゴム状の部品を多く使います。それぞれ取り付ける場所を覚え、傷がないか確認しなければなりません。

ゴムパッキンはしっかりと食品機械用油を吹き付けないと滑りが悪く機械の中でズレてしまいます。ズレたことを気づかずにそのまま製造を始めてしまうとズレた部分から商品が漏れ出してしまい、もう一度分解洗浄して、機械を組み直すといった最悪なタイムロスを引き起こし、先輩に激怒されます。

また、・仕事中、作業着が乱れていると先輩に注意されます。

・誰もみていないからといって、手洗いをテキトウにすると抜き打ちの細菌検査で菌が大量に検出されて大問題になります。

・機械の操作をうろ覚えですると商品にロスがでて先輩に激怒されます。

・機械の洗浄分解を自己流でやると始めからやり直しさせられます。

・わからないまま聞かないでいると「わからないなら早く聞け」と激怒されます。

人の口に入るものを作るのでとにかく管理職は最新の注意を払っていて凄く細かいです。

衛生面にとにかくうるさい

食品工場は近年HACCPも義務化され、衛生面では特に細心の注意が必要となっています。

食中毒になれば人が命を落とす危険性も含んでいるため汚れや細菌、ウィルスには各工程ごとに決められたルールで常に安全を確保する必要があります。

HACCPで全工程の作業が決められていても、決められた作業をするのは人間なので失敗や忘れ、サボりもあり、管理が必要です。

作業当日、下痢、嘔吐の症状があれば作業をしてはいけません。

その場合は病院へ行き、ノロウイルス等感染する可能性がある病気なのかハッキリさせないと仕事に復帰することはできません。

爪の間には細菌が集まりやすいので爪の長さにも注意が必要です。

作業着が汚すぎると注意されます。長靴が汚いと注意されます。

衛生面には常に気を使わなくてはならないのが食品工場です。

異物混入の恐れは最悪の事態

ニトリル手袋に穴が空いていて破片が見つからないときやゴムパッキンが欠けていて破片が見つからないなど、異物混入の恐れがある事態になったとき、最悪な作業の始まりです。

工場の全作業を一時停止して破片の混入可能性がないと判断できる所から再開していきます。

混入可能性が0ではないところは破片が発見された場所を中心に床、排水溝、作業着、機械、ゴミ箱とありとあらゆる場所で捜索します。

ゴミ箱は混入可能性0と判断された場所のもの以外は全部ひっくり返してゴミを出し、破片を捜します。この作業は時に2時間を超えることもあり、工場全体が疲弊します。

新入社員はこの捜索活動を目の当たりにして工場での将来を悲観するでしょう。

異物混入は絶対にあってはいけないのですが、工場の人からすれば客からのクレームがあったほうが作業としてはラクなんです。

クレームのあった時点では実際に製造した日は数週間から数ヶ月前になるのでクレームの異物を探すことができないので捜索活動をしなくて済むのです。

だから入社歴の浅い人ほど「破片なんて見つけても正直に言うな」と思っている人も少なからず存在します。

ニトリルグローブに限らず、異物が混入した可能性があれば製品の安全が確認されるまで通常作業に戻ることはできません。

まとめ

食品工場に始めて入った人はルールの細かさにびっくりすると思います。

それも年々まだまだ細かく厳しいルールに変わっていくことでしょう。

私の入社当時の20年前はマスクをしていない上司もいました。ズボンにはタバコ、小銭が入っていて

工場内の隅でタバコを吸っている人、タンを吐いている人。

今じゃ考えられないような光景がありました。

これから20年も経てば今の工場も考えられないくらいに不衛生といわれているかもしれません。

新入社員はTVで観たり、学生の頃の工場見学の大企業の最先端の機械制御された工場のイメージが強く、

入社してからのイメージのギャップと体力の消耗でとても給料と労働料が合わないと言って辞めていきます。

食品工場は本当にキツイ職業です。今回記事に上げた事項を難なくこなせるようになって初めて工場は

単純作業と言えるようになります。

食品工場はキツイです。入社前によく考えましょう。

それではまた。食品工場(@bla9factory)でした!

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